28年前に弊社で設計させていただいた「一般財団法人清水港湾博物館(フェルケール博物館)」が東海支部の審査を経て 「JIA25年建築選」に登録されました。

これは「25年以上の長きにわたり、建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献したきた建築」を登録・顕彰したものです。

建築が未来に向けて生き続けていくために、多様化する社会の中で建築が果たすべき役割を確認するとともに次世代につながる建築のあり方を提示するための賞です。

フェルケール博物館は、静岡市の美術館として清水港の歴史・船の歴史を展示するだけでなく、美術館としても一年を通しての企画展を行い、地域の文化を掘り起こしてきました。またコンサートをはじめ、さまざまなイベントを行なう事で市民と深く繋がってきたことで、地域に愛され、親しまれ、街のシンボルとして生き続ける証としての結果と思います。

設計者としては、今後の仕事への原動力に変えていこうと思っております。

30年前に設計させていただいたお施主様宅の柿の木が家の屋根を越えて巨木となり、今年は柿の実が鈴なりとなりました。10月末日にお施主様宅の3階のテラスから柿の収穫に参加させていただきました。

このお宅は一昨年,隣地に東屋を増築させて頂きましたが、その屋根に鳥がつついて熟した柿の実が落ちるのを防ぐ目的もありました。

当日は雨模様でしたが、収穫する時間には奇跡的に雨がやみ、一時間あまりで300個ほどを収穫しました。

旬の果実を収穫させていただくと「秋」の季節を身にしみて感じます。

渋柿ですのでその後へたに35度のアルコールを塗って密閉袋で二週間ほど保存し、甘柿になるのを待ちます。

都会ではなかなか味わうことのできない体験をさせていただき、お施主様には感謝しております。

渋抜きより二週間の期間を過ぎ、毎日みんなで美味しい甘柿を楽しんでおります。

9月号に引き続き、雑誌「建築士」10月号の中の「旅から旅絵」というコラムにスケッチを載せていただきました。

28年程前、三、四百年続くハノイ地方の伝統的な村がそのまま残っていると聞き訪ねました。

田んぼの道を進み、村の門を潜り進むと、正面に屋根の四方を跳ね上げた神社風の建物に出ました。広場では多くの女性たちが、ちょうど集められた稲の束を脱穀していました。広場北側に建つ堂々たる建物はDAIN(ディン)と呼ばれ、礼拝所兼集会場で村の中心施設でありました。長老を中心に村民の合議により農作業や収穫、戦時への対応まですべてのことがここで決められました。「国王の力も村の垣根まで」と言われ、村は独立して運営されていました。

村人の住居は、広場から複数伸びたレンガ塀の小道に沿って配置されていて、それぞれの家には前庭があり、果物の木が植えられ、鶏が元気に飛び回っていました。外壁のレンガは空気層を内包するこの地方独特の造りで断熱性が高いとの事でした。広場から家々へ向かう門を含む風景をスケッチしました。

村は今では観光名所の一つになっているそうです。 日本の緊急事態宣言も解除となりましたが、ハノイはまだロックダウン中であり、解除を待ち望んでおります。