先日 静岡市で1991年に設計させていただいたフェルケール博物館を来訪しました。

清水港を中心に、港の歴史から未来までを総合的に紹介している、また展示物に直接手を触れられる珍しい博物館です。

清水港に関係する船の模型や航海に必要な船舶関連品、港湾労働者が使用していた荷役道具などで港の歴史や役割を紹介しています。

ちょうど、近くの小学校の社会科見学と重なり、たくさんの小学生の生き生きとした表情をたくさん見ることができました。

帆船を見ながら、一生懸命メモをとっていたり、展示物に感嘆の声をあげて見入っていたりする子供達の姿を見ていると、この博物館は30年経った今もその時代、その時代で地域に根ざして愛されていることを感じ、設計者として嬉しい時間を過ごすことができました。

マスクをして博物館を見学したという思い出が笑い話になるような時に早くなってもらいたいと願いつつ、館を後にしました。

6月1日発売の建築ジャーナル6月号に 42年間(1979-2021)の代表的な作品を12ページにわたって特集していただきました。

博物館・美術館、アトリエ、病院建築、住宅・山荘、集合住宅、ベトナムでの活動等 写真を中心に紹介されております。

建物に集う人と周囲の環境が心を通じ合い、安らぎを受けることができる そんな空間を意識して 42年間取り組んでまいりました。

近年は 豪雨、台風、熱波、竜巻など 自然環境が厳しくなり、建築の性能を上げることが強く求められております。

外部の環境と室内を遮断するのではなく、求められた性能を満足しながらも、外と内、人と人が良好な関係を保ち、風通しのよい快適な生活の営みを実現することを目指して 今後共努力していく所存です。

書店でお手に取り ご覧いただければ幸いです。

30年ほど前に 清水市(現静岡市)に設計させていただいた フェルケール博物館の一部外壁改修工事を現在行っているところです。

「清水港ににぎわいを」と清水港の歴史、船の歴史を常設展示すると共に、さまざまな分野の企画展や美術展、ミュージアムコンサートの催し等をを通して 地域の文化振興の中心的役割を担ってきた博物館です。

外壁は当時特注したレンガが残っていないため、改修後の壁が既存のレンガの壁となじむように職人の方がモルタルでレンガの造形を作り、それに着色して再生します。

ディズニーランドの建物で使用した手法とのことですが 仕上がりが楽しみです。

ドイツ語で「人が交流する」という意味の「フェルケール」の館名は、初代理事長の館への思いからの発案です。

清水港に近接した場所に位置し、清水の歴史と深い関わりあいをもつ建物です。

今回の改修工事で これからも長く清水地区の文化の中心的施設として愛され、コロナ収束後は「フェルケ―ル」の名の如く、多くの方達に来館して頂きたいと願っております。